- AI基盤
【生成 AI】画像生成モデルを使わない画像生成を試す
こんにちは、生成 AI 推進センタの林です。
皆さん、生成 AI サービスを使った画像生成って経験ありますか? 私は主に社内向け資料を作る際に使うことがあります。またこのブログに投稿する記事の中のイメージ画像として用いる場合もあります。
生成 AI サービスで作成する画像はモデルの進歩とともに品質が大きく向上していきました。最近では、生成した画像内の文字も正確になってきているため、ポスター風画像なども AI に任せることが可能となってきました。
この記事では敢えて、通常とは異なる画像の生成手法を試してみようと思います。
通常の画像生成
前述の通り、生成 AI サービスはかなり進歩しています。ChatGPT や M365 Copilot 、あと我々が自社内に提供している Excellia でも、自然言語で依頼をすれば JPEG や PNG などの形式で画像を生成してくれます。
生成 AI の種類の確認
そもそも何が「生成 AI」なのか?という言葉の定義は一旦置いておきます。この記事では "生成 AI" は「ディープラーニングなどの学習によって作成されたモデルが人間からの指示 (プロンプト) に基づいて、何らかのコンテンツを出力する AI モデル」として定義します。
その上で生成 AI としてどんな種類のものが存在しているのかを確認します。

上記は、私が代表的であると思うものについて挙げたにすぎません。もっと別のサービスを思いつかれる方もいらっしゃいますでしょうし、何ならこの記事を公開した翌月には新たな優秀なモデルが登場してきて上記の図は過去の古すぎる情報になっているかもしれません。生成 AI に関しては時代の移り変わりが速すぎて、生成 AI の話題を取り扱う資料やブログ記事があっさり陳腐化してしまうことに若干悲しみを覚えます。
画像生成分野においては、オレンジ色で示したところに記載のあるモデルが利用されるわけですが、実をいうと、ChatGPT や Gemini などの生成 AI サービスを利用する際、ユーザーは直接これらのモデルを利用しません。
生成 AI サービスの仕組み
サービスの UI だけ見ていると、ChatGPT や Gemini は 1 つの生成 AI モデルだという風に見えてしまうのですが、実はそうではありません。

実は生成 AI サービスは司令塔となる LLM (テキスト生成モデル) とユーザーは対話をすることになります。これをオーケストレーターなどと呼んだりもします。
LLM はテキスト生成を行うことが得意なモデルであり、画像生成の依頼をされても、このモデルが画像生成を行うわけではありません。実はこの司令塔となる LLM はユーザーとの対話だけでなく、外部ツールの呼び出しも担います。
外部ツールの呼び出しとして最もよく使われるものが Web 検索だと思います。ChatGPT にある飲食店の営業時間を聞いたら、正確に最新情報から回答をしてくれたりしますが、これは ChatGPT の中の司令塔となる LLM が Web 検索という道具を行使できるからなんです。
画像生成も同様に画像生成モデルが道具として司令塔となる LLM から呼び出せるようになっています。
画像生成の仕組み
ChatGPT や Gemini のような一般的な生成 AI サービスでは、通常、次のような流れで画像を生成します。

世の中には直接画像生成モデルに指示をして画像生成をしている人たちもいらっしゃいますが、通常はこちらの流れによる生成が多いかと思います。
画像生成モデルを使わない画像生成を試す
画像生成モデルによる画像は年々進歩しており、冒頭でも取り上げたようにポスター風画像まで作成することが可能になりました。
画像生成 AI モデルは、通常、PNG や JPG 形式でデータをアウトプットしてくれます。しかし、同じ画像でもラスタ画像 (PNG, JPG など) ではなく、ベクタ画像 (SVG など) でほしくなる場合もあります。例えば UI に使う細かいアイコンなどなど。
SVG は最終的には画面に画像として出力されますが、ラスタ画像と異なりピクセルベースのデータではなく図形の形や配置などの情報をマークアップ言語で保持します。中身は XML であり、人間が読める言葉と記号で構成されます。

つまるところ、これは言語なので、画像生成モデルではなく LLM を使って出力が可能ということになります。
検証: LLM でどの程度の品質の SVG が出力できるのか?
さて、やっと本題です。SVG は最終的には画像で表示されますが、その中身は図形を定義したテキストであるということは前述の通り。
LLM ベースのプログラミング ツールも世の中には数多くあり、HTML を使ったウェブサイトもそういったツールを使って自動作成させることも可能になってきました。
ということは、現在の LLM でも HTML と同じマークアップ言語である SVG を出力可能なのでは?がこの記事の趣旨です。
今回は Excellia で利用可能な下記の LLM を用いて確認を行います。
- GPT-4.1
- GPT-5.5

Excellia でモデルを指定し、SVG の作成を指示します。Web 検索機能はオフにして単純にモデル内部の学習データから SVG を作成してもらいます。出てきた SVG ソースをファイルに保存し、PowerPoint で開きます。そこでどんな画像が表示されるのか、あるいは構文エラーとなってしまうのか、を見ていきます。
検証 1. 単純図形を作成する
次のような指示を出します。
次のような画像を表示する SVG ソースを作成してください
* 16:9 サイズの画像領域
* 左側に青くて縦に長い長方形
* 右側に赤い円
結果 (SVG をレンダリングした結果)

まぁ概ね指示通りの結果になっているのではないでしょうか?
検証 2. 単純なイラストを作成する
次のような指示を出します。
次のような画像を表示する SVG ソースを作成してください
* 正方形サイズの画像領域
* シンプルなはしごのイラスト
結果 (SVG をレンダリングした結果)

なんとなくモデルの性能差を感じます (笑) 。GPT-4.1 はシンプルで一番デフォルメされているはしごのイラストを生成してくれたのに対し、GPT-5.5 は若干角度を付けた見方の構図で生成してくれました。
検証 3. 複雑なイラストを作成する
次のような指示を出します。
次のような画像を表示する SVG ソースを作成してください
* 正方形サイズの画像領域
* 次の時刻を指し示すアナログ時計: 09:11:12
* 黒い長針、黒い短針、灰色の秒針がある
* 時間と分の目盛りがある
* 時間を示す数字が刻まれている
結果 (SVG をレンダリングした結果)

両者ともに 5 KB 超えの SVG データを生成してくれました。ここでもモデルの性能差が出ました。GPT-4.1 では文字の位置ズレが目立つ結果になりました。
これ結構厳しい課題だと思っていたのですが、意外と品質の高いものが出てきました。恐らく世の中で SVG で盤面を描画している Web 上のアナログ時計サイトのようなものが結構あったりするので、LLM にとってはむしろほかの課題よりも「経験がある」課題だったのかもしれませんね。
検証 4. 眠っている猫のシルエット画像を生成する (表現力を試す)
次のような指示を出します。
次のような画像を表示する SVG ソースを作成してください
* 16:9 サイズの画像領域
* 猫のシルエット画像
* 丸まって眠っている
* 顔や手の輪郭がわかるようにすること
* 黒単色で表現する
結果 (SVG をレンダリングした結果)

どひゃあ、なんだこれは (笑) 。両者ともにとんでもない怪異を生成してくれました。
このような生物などの表現については、現段階では画像生成モデルを使って生成し、必要に応じて Inkscape などで SVG 化してもらったほうが良さそうですね。ちなみに Excellia (GPT-5.5) に下記の指示を出した結果も共有しておきます。
次のようなイラストを作成してください
* 16:9 サイズの画像領域
* 猫のシルエット画像
* 丸まって眠っている
* 顔や手の輪郭がわかるようにすること
* 黒単色で表現する

16:9 という制約を無視されてしまいました。そういった制約は LLM のほうが強い……? とはいえ、こちらの意図通りの画像を生成してくれたように思います。
終わりに
今回は「LLM で画像を生成する」検証を行いました。画像生成モデルは数年前と比べるとものすごく進歩しています。同様に LLM もより高品質なプログラムを作成できるようになったりと進歩が続いています。
本来であれば生成された SVG ソースを貼り付けたいところなのですが、どうもプログラムのソース系を貼るとブログ記事のレイアウトが崩れてしまうようでして。代わりに GitHub の gist なんかに貼れれば良いのでしょうが、ちょうどよいアカウントが無いのですみませんがソースは割愛します。
今回は通常 LLM で想定されない画像生成タスクを行いました。2026 年 9 月初旬に GPT-4.1, GPT-5.5 を使って SVG を生成した結果が上記になります。LLM の世代交代が進んだ頃合いに、もう一度同様の検証を行いたいですね。その時にどんな進歩が見れるのか、楽しみです。
ありがとうございました。