- セキュリティ
Def Con34でBlue Team Village CTFに挑戦してみた
はじめに
Def Conとは、毎年夏にラスベガスで開催される世界的なサイバーセキュリティカンファレンスイベントである。そこまでビジネス色が強いわけではなく、「village」と呼ばれる専門家とボランティアから構成される分野毎コミュニティによって様々な催し物が展開される。
今回は8/7~9日に開催されたBlue Team Village(BTV)主催のBTV CTFへ現地参加してきたので、イベントの雰囲気と合わせて紹介したい。

BTV CTFについて
BTV CTFは文字通りブルーチーム(防御側)観点で攻撃活動をあぶりだすための分析に関するスキルを問うCTFイベントである。特定環境におけるログの調査や証跡ファイルの確認等発生したセキュリティインシデントを特定する能力に主な焦点を当てている。今年は例年と異なり、事前に各自のローカル端末上にインフラ環境を構築しておいてCTF開始後にダウンロードできる個別のコンテナに対して分析を行う方式となった。
※環境情報については公式のgithubを参照
厳密性は少し欠けるがイメージは下記の通り。

それ以外にもGeoGuessrのような場所を特定する問題や、現地参加のメンバのみが解くことができる宝探し的な問題も少量であるが組み込まれバラエティに富んだ構成となっていた。
参戦の経緯
私自身、去年から社内CTF運営に携わり個人的にもいくつかCTFへ参加し自身の技術力の底上げをやっていた。そんな中、運営メンバから「今年は海外のCTFにも参加したい~」といった声が挙がったことからDef Con期間中に開催されるCTFへの参戦を計画していた。
実を言うと最初(というか直前まで・・・)Recon Village CTFという公開情報を調査するスキルを問うOSINT領域のCTFへ参加することを検討していたが、今年は開催されないということが分かったため急遽BTV CTFへの参戦に鞍替えした形である。
私を含め、Kubernetes環境の経験がほとんどないメンバーが多い状況ではあったが、結果的に現地/リモート含めて参加可能人数ギリギリのチーム体制で挑むに至った。
CTF挑戦結果
そんなバタバタな状態であったが何とか出場できる状態にこぎつけたので現地会場から参戦した。


事前に調査していた段階から、問題数は相当多そうだというのはわかってはいたが最終的にチームで説いた総数は300問近くになっていた。それを約48時間でやる都合上、Claude Codeなどの生成AIツールも活用しながら調査を行い効率よく対応する環境とした。それでも最終日については、現地組は全員徹夜して缶詰状態/リモートメンバもが可能な範囲で時間を確保していただき、チーム全体で最後まで粘り強く取り組み続けた。
最終的に我々「W0lfp4ck_by_3xnym0u5」は192チーム中11位という結果で競技を終えることができた。一人一人の尽力のたまものであると同時に、海外CTF初参加としては十分健闘できたのではないかと感じている。

振り返って
今回初めての海外CTFであったが、明確に下記特徴があった。
・問題のレベル自体はログを順に根気強く読んでいけば被疑箇所にはたどり着けるが、事前準備の知識やAWS等サービスに対する理解が必要なため難易度は高かった
・正答の入力形式に独特な癖があり、回答形式の試行錯誤に時間を要した(英語でセンテンスを構築する必要がある)
・一定数の問題に対して途中修正が入って、後から正解扱いとなった事例が複数あった(ボランティア運営なら致し方なし?)
特に、回答形式の試行錯誤には技術的な分析とは別の難しさがあった。被疑対象まで特定ができているのにどうすれば正解となるのかでかなりの時間を使った。最終的にはClaude Code側で頻度分析を行いどういったワードが候補となるかという分析する場面もあった。今後海外大会に挑戦するには回答のためのテクニックも仕入れておく必要があると強く実感した。以下に一緒に参加くださった方のコメントを一部掲載する。
現地参加した方からの振り返り
国内CTFでは意識しない「回答形式」含め考える必要があり根本的な理解を求められた。
事前の環境構築/AWSのIAM/パケット解析等求められるものが広範で難易度が高いと感じた。
Skills.mdを事前に読み込んだAIエージェント構成が推奨されていた。
MetaCTFのような共通プラットフォームを知ることができたことは大きい。
今回のようなKubernetes環境を社内CTFでも適用できそう。
リモート参加した方からの振り返り
今まで参加してきた国内外CTFと比べても難易度は高かった。
環境構築などの事前準備、英語由来の問題の汲み取り方、回答形式の把握にも工夫が必要であったりと、技術力だけでなく総合的な対応力が求められるコンテストだった。
その分、自らが最初から最後まで調査や考察をする必要があったため、コンテストを通じて大きな経験値となった。
ブルーチーム特化のCTFであったこともあり、CSIRTとしてのフォレンジック調査・インシデント対応の考え方や切り口の部分は実務へフィードバックできる内容だった。
まとめ
総じて、初参加ながら大いに健闘できたと思う。それと同時に世界トップレベルのチームとは見た目の点差以上に溝があるとも感じた。海外CTFやDef Conへの参加は、単なる技術力向上だけでなく世界レベルのコミュニティや最新トレンドに触れられる貴重な機会であると感じた。
私個人として、現在SOCアナリストとして業務をしている都合上普段なかなかお目にかかれない真検知インシデント対応の感覚を磨く良い機会となった。全体を通してSOC運用、インシデント対応、ログ分析といった実務に近い観点の問題も多く、日常業務との親和性を感じた。今回得られた知見は、セキュリティ運用高度化や社内CTF活動にも活かせると考えている。
BTV CTFに集中しすぎて、Def Con自体をそこまで堪能したわけではないが、現地の雰囲気等を画像と共に共有して締めたいと思う。

