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企業でよく使われるSKYSEA Client Viewをかんたんに紹介

こんにちは、SKYSEA歴1年半の3年目エンジニアです。
キャリアの半分以上、SKYSEA触っとるやん!っていうツッコミはさておき…今回はSKYSEAサーバの構築・バージョンアップ・移行等々、1年半ほどSKYSEAを触りまくった私がざっくりSKYSEA Client Viewを紹介したいと思います。
昨今、企業のクライアント端末管理でよく導入されているSKYSEA Client View。
私自身、名前は聞いたことがあったし、広告でも目にしていたけど、実際にどんなことができるのかまでは正直よく知りませんでした。
サーバー構築や移行のときに触ってみて感じたのは、「機能が多くて、最初は何ができるのかちょっと分かりにくいな」ということ。
最初は何が何だか分からなかったころから、少しずつ知識がまとまってきたので、今回はSKYSEA Client Viewをざっくり紹介してみます。
「SKYSEA Client Viewって何なの?」という疑問を、少しでも解消できれば幸いです。
SKYSEA Client Viewとは?
SKYSEA Client Viewとは、Sky株式会社が提供する、企業のIT管理者がPCや端末の管理・セキュリティ強化のために使うクライアント管理ソフトです。
ざっくり言うと「社内PCや端末の状態や操作を把握して、セキュリティや資産管理をサポートしてくれるツール」です。
具体的には、社員のPC操作ログを収集したり、USB・外部デバイスの利用を制御したり、ソフトウェアの資産管理をしたりすることができます。
さらに、これらの情報をレポートとして出力できるので、定期的な報告や監査対応にも役立ちます。
提供元 | Sky株式会社 |
製品名 | SKYSEA Client View |
管理対象 | Windows、Mac、iOS、Androidなど社内端末 |
目的 | 端末管理、IT資産管理 |
機能 | 資産管理、ログ管理、セキュリティ管理、デバイス管理、レポート出力等 |
SKYSEAは富士キメラ総研「2024 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧 市場編」において、「端末管理・セキュリティツール(ソフトウェア)」2023年度 市場シェアNo.1 を獲得しています。
さらに、導入事例も豊富で、金融機関や医療機関、教育機関、さらには政府系の組織まで、業種問わず多くの現場で活用されています。
このように、国内で非常に高く評価されており、会社のPCを安全かつ効率的に管理できる便利なツールですが、実際に触ってみると機能が多くて最初は何から手をつければいいのか迷ってしまうこともあります。
今回は、そんなSKYSEA Client Viewの主要な機能を、ざっくりと紹介していきます。
主な機能

1.資産管理
- PCやサーバのハードウェア・ソフトウェア情報を自動収集
- OSやアプリのバージョン、パッチ適用状況を一目で把握
- 資産台帳を自動生成し、管理コストを削減
2.ログ管理
- PC操作ログ(アプリ起動、印刷、USB接続など)を収集
- Web閲覧履歴やメール送受信履歴も管理可能
- 問題発生時の原因追跡やトラブルシューティングに役立つ
3.セキュリティ管理
- USBメモリや外部デバイスの使用制限
- 不正ソフトウェアの検知・ブロック
- 権限のない操作(アプリ実行やファイル操作など)を制御
4.運用支援
- ソフトウェア配布・更新の一斉実行
- Windowsアップデート管理
- リモート操作やリモートロックでトラブル対応を迅速化
5.レポート・分析
- 端末の稼働状況やリスク情報をレポート化
- 運用改善や情報セキュリティ監査に活用
- 直感的なグラフ表示で管理状況をひと目で確認
使ってみて感じたこと(体験談)
サーバー構築や移行の際に初めてSKYSEA Client Viewに触れてみたときの印象は、正直「機能が多すぎて、何から触ればいいのか分からない!」でした。
最初は「ほとんど何でもできるツール」というイメージで、使いこなせるか少し不安になったのを覚えています。
以下は、実務で触ってきて特に印象に残ったポイントと、現場で役立った対応です。
ハマりどころ(具体例)
1.クライアント移行方法
移行時にクライアント端末を「移行元サーバー」から「移行先サーバー」に向き先を変更する際には、いくつか注意が必要でした。
まず、管理対象の台数が多いと、クライアントに移行ツールを配布する際に通信帯域がひっ迫してしまうことがあります。SKYSEAには分散配布や帯域制御の機能があるので、それを活用して段階的に配布するのがおすすめです。
さらに、移行ツールは「移行元サーバー」からクライアントへ配布される仕組みになっています。そのため、移行が完了すると移行元からの配布は行えなくなる点に注意が必要です。事前に全てのクライアントへツールを配布しきってから移行を始めないと、取り残される端末が出てしまいます。
2.サーバ停止による業務影響
サーバー移行時やバージョンアップでの再起動時には、どうしてもサーバーを停止する必要があります。そのため、どのサービスが使えなくなるのかを正しく把握し、事前に周知しておくことが重要です。
特に本環境では、USBデバイス制御の挙動を確認する必要がありました。普段の運用では「USBデバイスは全て使用不可」「登録したUSBデバイスのみ読み取り専用で使用可能」という設計でしたが、サーバー停止中もこの制御が効くのかは事前に確認が必要でした。
検証の結果、以下のような挙動となることが分かりました。
- 基本的には、登録しているUSBデバイスを含めすべて使用不可となる
- ただし、過去に接続実績のある登録済みUSBデバイスについては、端末側のキャッシュにより読み取り専用で使用可能
このように、サーバー停止中にどのサービスがどの程度利用できるのかを把握するのには非常に苦労しました。移行やバージョンアップを計画する際は、サービスごとの影響範囲を事前に洗い出しておくことが欠かせません。
3.マルチマスターサーバー環境での注意点
マルチマスターサーバー環境とは、複数のマスターサーバーで管理対象端末を分散させる仕組みです。管理端末が増えると、負荷分散のために複数台のマスターサーバーを立てる必要があります。
ここで注意しなければならないのは、冗長構成ではないという点です。各端末はいずれかのマスターサーバーに紐づいており(通信用マスターサーバー)、それぞれが独立しています。そのため、1台のマスターサーバーで障害が発生すると、その配下の管理端末に直接影響が出ます。
さらに、マスターサーバー同士は一部分だけ同期をとっているデータがあるため、リストアする際は全てのマスターサーバーを同一時点のバックアップからリストアしなければいけません。
また、運用面では「どのマスターサーバーに端末が集中するか」という偏りを避ける必要があります。その解決策として便利なのが自動振り分け設定です。新規にクライアントをインストールする際、あらかじめ定めたルールに従って通信用マスターサーバーが自動で割り当てられるため、管理者が意識せずに負荷を分散させることができます。
少しずつ触っていくうちに、操作ログやUSB制御、資産管理などの主要機能の全体像が見えてきましたが、それと同時に、移行時のハマりどころや運用上の注意点も浮かび上がってきました。
SKYSEA Client Viewは公式ドキュメントが非常に充実していますが、やはり環境特有のエラーや落とし穴は存在すると思います。
そのため、実際に導入する際は、まず「管理したいことは何か」を明確にして、そのうえで検証環境を用意して、実際に機能を試しながら導入計画を立てると、トラブルを最小限に抑えてスムーズに運用を始められると思います。
今回の記事ではざっくり紹介しましたが、今後は「トラブルシューティング」に焦点を当てて、もう少し技術・構築者寄りの情報もまとめていきたいと思います。
まとめ
今回は、私が1年半ほどSKYSEA Client Viewに関わってきた中で感じたことを振り返りながら、ざっくりとした紹介をしてみました。
最初は「機能が多すぎて何から触ればいいの?」という印象でしたが、実際に構築や移行を経験する中で、操作ログ・USB制御・資産管理といった主要機能の全体像が見えてきました。また、移行時のクライアント配布やサーバ停止の影響、マルチマスター環境での注意点など、実際に触れて初めて気づく“ハマりどころ”も多かったです。
公式のマニュアルやサポートは非常に充実していますが、やはり環境ごとの違いから現場ならではの工夫が必要になります。だからこそ、「自分たちの環境で何を管理したいのか」を明確にして、検証環境で試行錯誤することがスムーズな導入・運用の近道になると思います。
SKYSEA Client Viewは、うまく使いこなせば強力な管理基盤になり、企業のセキュリティと運用効率を大きく高めてくれます。これから導入や運用を考えている方にとって、本記事が少しでも参考になれば嬉しいです。